プラスチックに塗装をすると、塗装をした当初は、しっかりとキレイに塗装がされていると感じますが。使用を繰り返すうちに剥がれる場合があります。
塗装が剥がれてしまうとプラスチックへの塗装自体が無理なのでは?と、思ってしまいますが、プラスチックの下処理次第で、しっかりと塗装をすることが可能です。
ここではプラスチックへの塗装が剥がれる原因や、おすすめの下処理の方法についてご紹介をいたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
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プラスチック塗装が剥がれる原因は付着物にあり
プラスチックに塗装をしたのに剥がれてしまう原因のひとつに、塗装面の汚れがあります。
塗装する面に埃などの汚れが付着していると、その汚れの上に塗装材がのってしまい、汚れとともに剥がれ落ちてしまいます。塗装面に油分が付着している場合は塗装する時にはじいてしまうほか、塗装が完了して乾いても衝撃が加わったり時間の経過とともに剥がれてしまう場合があります。
また、塗装面が濡れたり湿っていても塗料がしっかりと付かず剥がれやすくなり、色むらの原因にもなります。
塗装する面は食器用の中性洗剤を使用して洗い、しっかりと乾かしておきましょう。
プラスチックの塗装が剥がれるのは「やすりがけ」をしていないから
プラスチックの表面に筆で絵の具を塗ろうとしてもはじいてしまい絵の具は殆ど塗る事ができません。油性の塗料の場合はなんとか表面に付く場合がありますが、ちょっと触っただけで剥がれたりと、しっかりとは付きません。
- プラスチックのつるつるした表面は塗料がのりづらいので、紙やすりで細かい傷を作っておくと塗料がはがれづらくなります。
紙やすりは番号が大きいほど目が細かくなります。プラスチックの下地作りに適した紙やすりと使用方法をご紹介します。
【使用する紙やすりの番号】
200番、300番、400番
【使用方法】 - 200番の紙やすりでプラスチックの表面をこすります。円を描くようにくまなくかけ、細かい部分は紙やすりを折ったり、鉛筆を巻きつけて使用します。平らで面積の広い部分は木片などに巻きつけて使用すると作業効率が上がります。
- 次に300番のやすりで1と同様に表面全体にかけます。
- 続いて400番の紙やすりで1と同様に表面全体にかけます。
紙やすりの番号はこの通りでなくても大体で大丈夫です。また、100番程度の差のあるものを使用して2段階でも大丈夫です。例えば240番と400番などでも問題ありません。面積の大きさや塗装の精密さなどを考慮して決めましょう。
プラスチックへの塗装が剥がれる場合はこの一手間も重要
プラスチックに紙やすりをかけたあとに下地剤(プライマー)を塗るとより塗装が剥がれづらくなります。
プライマーにはハケなどで塗るタイプとスプレータイプがあります。面積が広く細かいでこぼこがある場合にはスプレータイプが便利です。形が入り組んでいてスプレーではかけられない部分がある場合はハケや筆で塗るタイプのプライマーを使用しましょう。
プライマーを塗った後はしっかりと乾かす事が大切です。様々なメーカーのものが販売されているので、パッケージの乾燥時間を確認してその時間を守って乾かしましょう。また、極端に湿度が高い場合は乾きづらいので、湿度の低い場所に置くか扇風機の風を当てるなどしましょう。
また、プライマーは2度塗りするとより塗料のつきが良くなります。2度塗りする場合は、最初に塗ったプライマーが乾いてから塗ります。
プラスチックに塗装をした後は仕上げも忘れずに行いましょう
塗装が完了しても安心してはいけません。仕上げにニスなどの保護剤を塗りましょう。これにより塗装の剥がれや色移りなどを防ぎより塗装を長持ちさせる事ができます。
ニスにもハケなどで塗るタイプとスプレータイプがあります。プライマーと同様で、面積が広くおうとつがある場合はスプレータイプが手早くきれいに塗ることができます。また、重ね塗りするとより強固になります。重ね塗りする場合は最初に塗ったニスが完全に乾いてからにしましょう。
ニスにはつやがある仕上げにするものとつや消し仕上げにするものがあります。また、水性の塗料に使用すると塗装がムラになってしまったりする場合があります。ニスを購入する際にはパッケージの表記を確認して適した塗料を選びましょう。
プラスチックに塗装する際に気を付けてほしい点
プラスチックへ塗装する時に気をつける事があります。
プラスチック塗装は風通しの良い場所で行う。
塗料などの気体を吸い込むと身体によくありません。外で行ったり窓を開けたりと風通しの良い場所で行いましょう。
床や地面への飛び散りに気をつける。
塗料が地面に垂れたり、スプレータイプの場合は周囲に飛び散るので注意しましょう。付着した塗料を落とすという面倒な作業が増えないように、外で行うか新聞紙などを広範囲に敷いて行いましょう。
最近プラスチックによる海洋を中心とした汚染が問題になっています。洗顔のスクラブなどの微細なプラスチックや海上を長く漂う間に砕けて微細なプラスチックになり、それらはマイクロプラスチックと呼ばれます。マイクロプラスチックは海洋の生物、魚などに取り込まれ、それを食した人体に取り込まれます。実際に人間の便の検査をしたところ、検査した人数は多くはありませんでしたが、全員からマイクロプラスチックが検出されたそうです。地球上に住む全ての人に影響のある問題です。
プラスチック製品はとても便利で現在の人間の生活には切り離せないものですが、できるだけ使用量を減らしていく事が環境の保全に繋がっていきます。