高校受験に影響が出る中学校の通知表。そもそもその付け方はどんな基準となっているのでしょうか?
もし「1」がついていると、テストの点数が悪かったということなのでしょうか?高校受験にもかなり不利となってしまう?
親として心配になる中学校の通知表の付け方の基本と「1」がついた場合の受験への影響につついて説明します。
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まずは中学校の通知表の付け方を理解しよう!「1」がつくのはどんな場合?
期末になると、各学期中の個人の成績が通知表という形になり、家庭に持ち帰られます。
中学校での通知表は、高校進学の際の基準にもなるため、あまり評価が良くない通知表を持ち帰ってきたら、親としては心配になりますよね。
通知表の成績の付け方は、単純に先生の個人的視点で決まるものではありません。
例えば、テストで一度100点をとったという理由だけで「5」はつかないのです。
中学校の通知表は、「5」から「1」までの評定値と、それぞれの項目に応じた観点別評価(A、B、Cや○、◎で表す)で評価されます。
観点別評価は、各教科によって違います。
例えば、数学のばあいは、「数学に対する関心や意欲、授業態度が高いか」、「数学的な見方や考え方が出来ているか」、「数学的な技能はどうか」、「数学的な知識や理解ができているか」というおもに4項目に分けられた評価があります。
これらは、普段の授業態度(挙手をして答えたり、自主的に調べるなど)はもちろん、定期テストや小テストなどの成績も加味され、成績が付けられます。
このような観点別評価を組み合わせ、通知表の評定が決定していますので、テストの点数が良くても、授業態度が悪ければ「5」ではなく「4」や「3」が付けられることもあるのです。
現在の中学校の通知表で「1」がつくことはめったにない?
通知表の成績の中で1番評価が悪い「1」は、中学校の先生としても出来れば付けたくない数字です。
というのも、多くの学校で取り入れられている「絶対評価」で通知表の成績が決まる場合は、テストで結果を出せば良い評価を付けてもらえるので、不登校などよっぽどのことがない限り「1」はつかないシステムだからです。
通知表に「1」が付くということは、その先生の指導力に問題があるとも捉えられるため、中学校の先生も極力付けたくない成績であることは間違いありません。
これらを踏まえると、通知表に「1」が付いてしまうということは、もう後がないギリギリの状態であるということが言えます。
教科に対する全体的な取り組み方を見て、どこか1つでも良いところがあれば「1」が付くということはありません。
中学校の通知表で「1」が付いたということは、その教科に対して「ほぼ成績が25点以下」であり、「授業態度が悪い」、そして「出された課題も提出しない・出来ない」という条件が全て揃っていると考えられます。
こうなると、授業を聞いても理解が出来ないのは当然で、わからないのでますます面白くなくなり、授業に出なくなったり、他に逃げ場を求めてしまうケースが多くなります。
少しずつでも勉強する習慣を身に着けさせるよう、個別に家庭教師を付けたり、勉強の仕方を見直して改善していく必要があるでしょう。
中学校の通知表で「1」がついた場合に親としてできることとは?
通知表で予想外の「1」が付いてしまうと、親としても子どもに対しどうしたら良いのか悩むこともあるでしょう。
成績が悪かったことに対し、その場で怒ったとしても問題は解決しませんよね。
親が出来ること、それは成績が悪かった教科の先生に直接出向き、今後のことを相談したり、子どもが質問する時に一緒に付き合うことです。
中学生なんだから、親が出る幕ではないと思う人もいるかもしれませんが、親が先生に会うなどというはっきりした行動することによって、子どもが「親がここまでするなんて、自分はよっぽどの成績なのか」と自覚してくれる可能性が高いです。
先生としても、「子どものことをしっかりと見ている家庭」と思ってもらえるでしょう。
もうこれ以上後はない成績を取ったということで、奮起して盛り返すか、そのまま中学を卒業するのかは、このタイミングにかかっていると言っても過言ではありません。
先生は、日常的に子どもの態度や性格を見ているので、どのような勉強方法が良いかなど、親としては思いつかないようなアドバイスをもらえることもあります。
子どもも、親がサポートしてくれるということで心強く、勉強に集中しやすいということが言えます。
中学校の通知表の評価は高校受験にどのくらい影響が出る?
中学1年の成績は、高校受験に影響しないからと軽く考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、そうとは一概には言えません。
高校受験に影響する成績は、都道府県によって違いがあり、中1~中3の成績全ての平均値で決まるところもあれば、中3の1、2学期だけで決まるところもあるのです。
進路先の学校が決まっているなら、進路指導をしてくれる先生に相談して聞いてみることをおすすめします。
通知表の成績に「1」が付いていたら、高校受験の合否に影響があるかと心配になることもありますが、こちらも、受験する学校によって違います。
通知表の中で、1つの教科に「1」がある場合、私立高校の中には「国語・数学・英語」の主要3教科の中に1つでも「1」があると受験できないという条件が付いているところもあります。
他の公立校や都立、県立高校では、内申点の合計点を基準にしているところがほとんどのようです。
こちらも、進路の先生に聞いてみるということが良いでしょう。
通知表で「1」だと推薦はあきらめるしかない?
通知表で「1」をとってしまった場合、この事実は消し去りたいところですが、残念ながら自分で背負っていくしかありません。
現在の成績基準で「1」を取るということは、よっぽどのことと考えられますので、まず推薦入試の可能性は限りなく低くなります。
私立高校の中には、一般入試の出願資格の中に「評定に2もしくは1がないこと」をはっきりと記載しているところもあるので、こうした学校には出願すら出来ないというケースもあります。
そのため、おのずと希望できる高校が限られ、行きたいと思っていた学校に行けないということもあります。
中学校の通知表の「1」という成績は、授業態度も成績も悪く、授業を妨害したなどという良いところが見当たらない時に付けられる成績です。
授業態度は良く課題もこなしていたけど、テストだけは悪かった、という場合に「1」が付くということはありませんので、もし該当するような時は、一度先生に相談してみることをおすすめします。