鉛筆で描くデッサンは、光と影の付け方で絵に奥行きが生まれます。しかし、慣れないうちはなかなか立体感が出ずに、平面な絵に見えてしまいがちです。
そこで、デッサン初心者に覚えてほしい、影の付け方の基本や、鉛筆の使い方をご紹介します。
普段、何となく見ているものにも光と影があります。光と影を意識して見ると、今まで見えてなかった部分も見えてくるようになります。
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鉛筆で絵に影が上手に表現できない理由
影を意識して観察しないから鉛筆で絵に影が上手に表現できない
光がある場所に物があれば、そこには必ず影ができます。それは誰でも知っていること。でも影の存在を気にすることはあまりありませんよね。
描いたことがないものをいきなり描こうとしても、うまくいかないのは当たり前です。
まずはモチーフ(モデル)になるものを置いて、影に注目して見ながら鉛筆を使ってスケッチ。
室内ではライトの数や角度で影が見づらい
外でのスケッチでは太陽の光によって影ができますが、部屋の中では窓から太陽の光や室内の照明など光源(光るもの)が1つではありません。
2ヶ所以上から光が当たると影が複雑になり表現が難しくなります。
影の付け方は濃さの差も大切
正しい場所に影を付けても周りとの色の違いに差が少ないと立体感がうまくだせません。色の違いや濃さの違いも気をつけてみましょう。
鉛筆で描く絵の影の付け方の基本
光はどちらから来ているか観察しよう
物には影があり、ただの丸や四角を描いただけでも影を付けるだけで平面が立体に近づいて見えます。
ただし、影の付け方をいい加減にしてしまうと立体的に見えなかったり、歪んだ形に見えることになってしまいます。
絵に影を付ける時に一番重要なことは「光が差し込む方向を意識する」ということです。影は「光の反対側にできる」ということを頭に置いて影を付けてみましょう。
影には濃さの違いがある
サイコロ(立方体)の影の特徴
各辺の長さが同じサイコロのような立方体を用意します。角度を調節して上の面、その下に2つの側面が見えるように置いてみて下さい。
光が斜め上から当たっている場合は、上の面が一番明るくなります。側面は光と反対側の側面は暗く、その地面はより暗い影があるでしょう。
そして光に近い側面は、上面よりは暗く、影の面よりは明るいはずです。
この用に、影は1つの濃さだけでなく光の当たる角度によって何種類もの濃さがあることを意識しましょう。
ボール(球体)の影の特徴
ボールのように表面がカーブしているものの影をよく見てください。
光の反対側、床面のあたりは濃い影が落ちています。光が当たる部分が一番明るく、影に向かって徐々に暗くなり床面の濃い影へと移り変わります。
角のない曲面では、少しずつグラデーションで影の濃さが変わっています。
デッサンで鉛筆を使うのは、力加減で色の濃さを加減できるメリットがあるからです。シャープペンシルやペンではなく、デッサン練習では柔らかめの芯の鉛筆を使うことをお勧めします。
影の付け方が難しいと感じる方はデッサン用の鉛筆がおすすめ
実はたくさんの種類がある鉛筆
影の付け方を練習するには鉛筆を使うのが適していますが、可能であればデッサン用の鉛筆を揃えてみてはいかがでしょうか。
学校などで使われる書き方鉛筆に比べ、価格はすこし高い場合が多いですが鉛筆の芯に使われる素材の品質がより高いので絵の表現にも微妙な違いが出ます。
文具・画材メーカーによっても少しずつ特徴に違いがあるので、バラ売りの鉛筆でメーカーやブランドごとの特徴を確かめてみましょう。
B?H?鉛筆の硬さと用途
デッサンではB~6Bの鉛筆を中心に使用するのが一般的です。コントラストを意識したデッサン練習をするには濃い目の鉛筆を使ってください。
4B~5Bくらいでは芯の軟らかさから描くときの力加減で濃淡を表現しやすく、6B以上になると描いた後から擦筆や指、ティッシュを使って擦ることで濃度を変えたりぼかしたりする表現に向いています。
一方、Hの硬い芯は薄い色表現ができると同時に、硬い芯を尖らせることで緻密で繊細な画面を作ることに適しています。
3Hより硬いものは製図用などに、一番硬い7H~9Hになると金属に筆記するなど特殊な用途に使われます。
鉛筆の芯は黒鉛と粘土の割合で変わるため、黒鉛が多いほど濃く・軟らかく、粘土が多いほど薄く・硬くなります。
絵に思った通りの影の付け方ができる鉛筆の削り方
鉛筆は自分の手で削ろう
デッサンなど絵の練習では、一本で表現の幅がある鉛筆が適していることはおわかりいただけましたか?
更に言うと、鉛筆を削るときは是非カッターやナイフを使って自分の手で削ってみてください。
鉛筆削りを使うと均一には削れますが、デッサンで使う表現方法には適していません。
たとえば鉛筆を斜めにして広い面を塗るときは芯を多めに出して削ると一回のストローク(手の動き)で、より広く塗れます。影の付け方ではこの方法が便利ですよ。
逆に先をうんと尖らせると、鉛筆削りで削るよりも細いシャープな線が描けます。
特別なカッターは要りません
書き方用に使う場合は手動・電動の鉛筆削りがありますが、デッサンで使う鉛筆を削るための専用のナイフやカッターがあるわけではありません。
切れ味の良い刃がついているのであれば、シンプルな普通のカッターで十分です。新しく用意するより普段使っているものの方が細かい調整がしやすいと思います。
1点だけ気をつけて欲しいのは、刃が良く切れるものであるということです。あまりカッターを使わない人は、切れ味の違いなど気にしないかもしれません。
しかし、鉛筆は意外と硬いため切れ味が悪いカッターでは横滑りして怪我をしてしまう恐れがあります。
刃先を多めに折るか新品の刃に交換して削り始めましょう。
指先が感覚を覚えるまでは焦らずに少しずつ、ゆっくり丁寧に削ります。怪我も心配ですが、失敗して大きく削ったり芯を折ると鉛筆を無駄にしてしまいます。
絵の構図のバランスの考え方
絵の良し悪しを決めるポイントはいくつかありますが、そのうちの1つが「構図」です。
一枚の紙の上に、どう絵を配置するかのバランスを考えて構図を決めていきましょう。
重要なのは余白
画面いっぱいにたくさんのモチーフが描かれた絵も面白いですが、ごちゃごちゃしてどこを見ていいか分からない作品になってしまいやすい欠点があります。
描きたい物を主役にするには、周りの余白や空間のバランスをうまく活かすことが大切です。
画集や既存の作家の絵を見る時に、何も描かれていない余白は、モチーフが少ない空間をどう使っているか意識して見るようにすると絵を描くときの参考になります。
大きさと安定感
画面に対して描かれたものが大きすぎないか、逆に小さすぎないか。極端に画面の端により過ぎる構図などは見る人が落ち着かない感じになります。
作品を通して伝えたいことがうまく伝わるバランスを考えてみましょう。
絵を描くテクニックは、方法がわかっても慣れるまではうまくいかないものです。何度も繰り返す積み重ねが必要です。
実際にモチーフを用意したデッサンが実力を育てるには一番ですが、うまくいかなければ写真や他の人の作品も参考にして描いてみることです。
コツが掴めてくると頭で考えなくても感覚的に影の付け方がわかってくるので、まずは練習あるのみ!